「またぞろ。」by 幌田 まんがタイムきららキャラット 2023年5月号p121 芳文社
なんというか「パフォーマンスは低い」けど「ポテンシャルは高い」とでもいいましょうか…うーむ、上手く言えないけど「表出するモノは少なくても秘めたチカラは大きい」という感じかな。そういう人ってたぶんいろんな過去とか境遇によって出来上がっていると思うのですが、往々にして「自己評価が低い」タイプな気がします。
いわゆる「自信家」は「自己評価が高い」ので、自分の能力だけで事を成し遂げられると思っていたり、自分ならみんなを動かして成功に導ける…などと思いがち。もちろんそのとおりに出来ることもあるわけですが。
一方で、自分の能力では何もできない、自分にはカリスマ性なんて無いから誰もついてこない、という考えになりがちな殊さんタイプでも、周りが「このコを軸にして動こう・成し遂げよう」と思ってくれると、前述の自信家さんを遥かに上回る成果を出せたりします。出せる気がします。
例えるなら、大きな大きなタライになみなみと水が入っていて、これをこぼさないようにみんなで目的地まで運ばなきゃいけない。そういうときに自信家さんは「こっちだこっち!」「なにやってんだしっかり持て!」「あわてるなあわてるな!」みたいな行動を取りがち。
でも殊さんみたくある意味「頼りないリーダー」だと、とてもそんなことはできないので、あわあわしながら見てるだけ。
そういう場合って、自信家さんのやり方は(もちろん正解のときもあるでしょうけど)上手くいかないんじゃないかな。「こっちだなんてこたぁ分かってるよ!」「しっかり持とうとして持ち方を変えてるんだよ!」「誰もあわててない!お前が一人であわててるんだよ!」なんてみんなが思っていて、結局失敗したり、上手くいっても「オレ様のおかげで上手くいった」という自信家さんに「アイツがいない方がよっぽど上手くいった」などという感情を燻ぶらせたりしそうです。
…いやまあ「頼りないリーダー」も困ることは多いでしょうけどね。でもそれでも「メンバーそれぞれが自分の役割を自覚して徹底する」ことができれば、上手くいくんじゃないでしょうか。そんな気がします。
大事なのは案件達成後に「成功したのはリーダーのおかげ」という気持ちにみんながなれること。そういう「結束力」と「達成感」を導き出せるのが、人を動かすときのポイントだと思います。
さておき「またぞろ。」。いつだったか作者さんがツイートしてたんですが、どうも「意識して絵柄を変えて」きているらしいです。そのとおりだと感じます。いまの雰囲気が悪いわけではないですし、4コマ的にはよりしっくりきてるようにも思えます。でも個人的には前の雰囲気もスキだったので…まあ「変化は進歩の途中経過」ですから、ポジティブに受け止めなくちゃね。
「次マン」に2度ノミネートされたんですが、今年こそは入賞してほしいと願っています。でも「読者の期待に応えること」と同じくらい「作者さんの描きたいものを描くこと」を大事にしてくれればそれでいいかなという気持ちもあります。ともあれそろそろ3巻ですね。待ってます。