「またぞろ。」by 幌田 まんがタイムきららCarat 2021年12月号p33 芳文社
…出来るヒトほどこういう言い方してくるよね。
「迷惑だ」「間違ってるよ」と言えるならとっくの昔に言ってるし、自分でも「どうしたいか」が分かってない(もしくは言えない)からこうなっているのであって、こういう「言えないこと」「答えられないこと」を知ってか知らずか詰め寄るタイプ…いえまあそういう方自身は確かに優秀なんでしょうから…。
比喩としては適切じゃないかもしれませんが、こういう方々を前にすると「天動説が信じられている時代の地動説信者」になった気分です。具体的に明確に相手を否定するには「(その時点での)正しい常識」というものがあって、それを倒すことはほぼ不可能。一方で「自分の信じる真実」も相手を納得させられる論拠を持たず、それを口にすること自体が「非常識」となりかねない。
結局「黙って何も言えない」ということになってしまうのですよ。…あああやっぱりちょっと持ち出す例えが違ってしまったかもああああ。
とにかく、私が欲しいのは「答えなきゃいけなくなるから『訊くな!』」ということなのです。正面切ってあからさまに「訊く≒答えを求める」という行動がデフォな人はあまり得意じゃないのです。いえ苦手です。
「分からない」も「違うと思う」も、そういう人へのリターンとしては不適切になりがちです。たいてい「何で分からないの!?」「何が違うというの!?」というリアクションが返ってきますから。
殊の気持ちは痛いほどわかる(つもり)。この作品が「次にくる(略」にノミネートされるのは、こういうところへの共感が、きっと支持を集めているんだと思います。個人的に思います。
そんな「またぞろ。」。タイトルコマはなんかすごく見ていて切なくなる。
アニメ化に向くかどうかは微妙ですね。個人的にはあまり…いえなればなったで「予想外の秀作」に化けるかもしれませんけど。
でも間違いなくいま「きらら系で特殊な(?)注目株」なのは確かです。ただ麻里矢のタイプの方々(大抵優秀)は、たぶん面白く感じないんじゃないかなぁと。
この先どういう展開になるか、最終回を迎えるまで評価しにくい作品ですが、個人的にはいまの時点で十二分に名作だと思っています。個人的にです。