「最果てのともだち」by 雪宮ありさ まんがタイムきららフォワード 2022年10月号p307 芳文社
「優しいということは、弱いということ」と思う人は、この作品を読むといいかも。
正直にいうと、この作品は「フォワードで一番苦手な作品」でした。良い悪いでいえば良い作品だと思うし、上手い下手でいえばうまい作品だと思う。でもやっぱり苦手。ホラーが苦手ですから当然といえば当然。
でも嫌いな作品かといわれれば嫌いではない。うっかりページをめくってどぎついシーンだとうぇぉっ!となるけど。
この作品の絵柄が「さよなら幽霊ちゃん」のようなのだったら苦手にならなかったかもしれないですけど…でもそれじゃあこの作品の良さもスポイルされてしまう。たぶん。
そんな「上手いし良い作品だし嫌いじゃないけど苦手」な本作も、次号で最終回。人間って不思議だね。終わってしまうと思うとこうして取り上げてみたくなるなんてね。
大きな災害だと東日本大震災、阪神大震災、古くは伊勢湾台風。いろいろな事故。そして太平洋戦争。無念のうちに命を落とした人々の霊魂を慰めるために、慰霊碑が建てられ慰霊祭が行われます。その行為はとても意味のある尊いものなんでしょうが、もしかすると霊魂をそこに縛り付けるようなことになるのかも…と思ったり。
地縛霊でも浮遊霊でもないかたちで、生きられなかった人の心を穏やかに鎮めるにはどうすればいいか。今回アサヒが取った方法…「生きてる自分自身をキヨの御霊の依代にする」というのは私は考えもしなかった方法ですね。すごい。
これはアサヒが望んですることだから良いのですが、一歩間違うと「霊に憑依されている」ことになります。むずかしいよね。理想は「守護霊と憑依霊の中間≒いいとこどり」になることなんでしょう。
もう一度いうけど「上手いし良い作品だし嫌いじゃないけど苦手」だった本作。なんとか「良い読後感で締めくくられるように」願いたいものです。たぶん秀作。あるいは名作。
…我ながらヘンな文章だなぁ、いつも以上に。まあこのまま公開しますけどね。