「歌詠みもみじ」by オオトリキノト まんがホーム 2022年7月号p158 芳文社
映像制作や報道の仕事をしていたせいか、ファインダーという「四角い構図で切り取らざるを得ない世界」への思い入れは、たぶん普通の人より強い方だと思っています。
だから「4コマまんが」という表現に、少し異常なくらいこだわっちゃうんでしょうね。基本「四角い構図」ですからね…はみ出すこともできるけど。
まあ自分でその表現領域での創作に踏み込まない(踏み込めない)のは、少し残念でありズルいところかなとも。
とんでもなく大きくスゴイものを前にしたときや、四方八方から飛び込んでくるスゴイものへの「感動」は、ファインダーから覗く世界では切り取れないし、静止画はもちろん動画であっても伝えきれないとは感じるのですが、それでも「その場にいてリアルに感じたもの」を、そうではない(その場にいない、その時にいない)多くの人々に届けることができることは、映像の仕事の「やりがい」ではありました。
カメラマンは「自分がその場で感動をフルに感じる」ことよりも、そこにいない誰かに「できるだけその場に近い感動を伝える」のが仕事ですから、ある意味「損な役割」ではあります。でも「その場で感動に浸る人」よりも「その場を俯瞰して見ることができる」という経験ができるので、その経験を「次の撮影にも生かしたい」と思ったら「カメラマンとして生きること」に喜びを感じるようになる気がします。私はそうでした。
ともあれ、動画にしろ静止画にしろ「カメラ(撮影)」というものは「沼」です。でも「沼に溺れながら沼を撮る」ことは、その沼での最高の楽しみでもあるんですよ。ぜひお越しいただきたいものです>「沼」
そんな沼の民となったまりなさんが主役の今回の「歌もみ」。カメラ女子が流行ってます(ました?)けど、やっぱり「一眼(レフ)」へ踏み込むのは少数派でしょうねたぶん。
テーマパークへ遊びに行くのに「フルセット重装備」なところは沼仲間としてあるあるです。もちろん「機材を絞って」行くことも多いのですが、ときに「あーあれ持ってくればよかったのになぁ」ということもありますし。
特にカメラとレンズ以外に「三脚」をちゃんと持っていくところは好感度大です。お金をかけるにもカメラとかより後回しにされがちですけど、実のところ「三脚のチョイス=コスト投入」こそ大事なポイントだったりしますから。
花型のレンズフードとか、4コマにしては細かい描写です。押さえの「コンデジ」も持ってるし、屋外だとレンズ交換は最小限が望ましいですから「2台持ち」とか…。4コマでここまでこだわる人は少ないかもですが、そういう大事なポイントを外さないところがこの作品(作者さん)の魅力かもですね。