「キルミーベイベー」by カヅホ まんがタイムきららキャラット 2022年1月号p106 芳文社
星新一氏のショート・ショートには中学生のころにドはまりしたのですが、この「万能スパイ用品」はその中でも印象に強く残っている作品です。やすなのとは反対で「カメラに見せかけた」万能ツールでしたけどね。
とにかく超多機能な「一見カメラ」なツール(今風に言えばガジェット?)なんですが、致命的な欠点がありまして…というお話。ここでは言いませんがネットで探せばネタバレが転がってます…いえ図書館あたりで本編を読んでいただくのがよろしいかと。いま調べたら「ちぐはぐな部品」という作品集に収録されてるようですね。
で、私がどうしてこの作品を印象深く覚えているのかと言いますと、その機能のひとつに「バリカン」があったからなんです。何に使うかというと「敵に追われたとき、これで自分の頭を刈って丸坊主にする」というもの。短時間で見た目がガラッと変わるので敵の目をあざむける、いわば「引き算の変装」というヤツでしょうか。読んでて「おぉーっ」と思いましたね。
いまの自分はスキンヘッドなんですが、かなり目立つ(人におぼえてもらえる)ということは実感してますので、この「頭髪変装」は効果的なんだと思います。
さておき久しぶりにキルミーからのヒトコマ。ヒトコマお借りすることは少ない方ですが毎度面白い作品です。
きらら系の中ではもしかすると一番タイム系に近い作風と言えるかも。きらら作品の多くは「4コマ以外のフォーマットでもいける」雰囲気がありますけど、キルミーは「4コマならでは」の面白さが生きている気がします。
あと漫才と同様「2人が基本」なところがテンポの良さにつながっているような感じもします。
いわゆる「キルミー(orカヅホ)チルドレン」的な漫画家さんも多いのですが、この「4コマ&2人」という基本が、そういうフォロワーを生んでいるんじゃないかと。まあ勝手な推測ですけどね。
そういえば昔の少年誌の裏表紙あたりって、この手のスパイグッズ的なヤツの通販広告、ありましたよね?いまあの手の会社ってどうなっているんでしょうねぇ。