ヒトコマラクダの日記

日々読みふける4コマ誌から1コマ引用して日記にします。基本は「自分語り」ですのでご承知おきください。

楽器がある空間ってワクワクするんですよね。

f:id:tanaka-minoru-fake:20210423062812j:plain

ご注文はうさぎですか?」by Koi まんがタイムきららMAX 2021年6月号p111 芳文社

 

学生時代、駅前通りから一本裏に入ったビルの2階に「自動演奏もできるアップライトピアノ」が置いてある店がありました。昼は喫茶店、夜はスナック。…おお、ラビットハウスと同じですね。

マスターはとある会社のプロパーだったんですが、あまりの転勤の多さに嫌気がさして、脱サラしてその店を始めてました。顔がイイとか背が高いとかではないんですが、とてもカッコイイ人で、例えが難しいんですが「ほんの少し崩した藤堂係長(石原裕次郎)」もしくは「思い切りイケメンに改造した二階幹事長」といえば伝わるでしょうか(ムリ笑

奥さんと子どもを連れて、親類とかもいない地方都市での第二の人生。大変なこともあったでしょうけど、自分の話はほんのちょっとするだけで、お客の話を引き出したり、お客同士のコミュニケーションを取り持ったりするのがすごく上手かった。客層の良さはマスターの性格が良かったからでしょう。イヤな客と鉢合わせたことって無かったんじゃないかな。

店内は「落ち着いた青色基調」で統一されたいい雰囲気。昼間は外光も上手に取り入れてたので不健全さを感じませんでしたし、夜は「いかがわしくはないけど浮ついた軽さもない」感じでまたとても素敵な空間でした。

最初は友だちに連れて行かれたんですが、すぐにマスターと意気投合して、その後ミニライブを2度やらせてもらいました。壁際のピアノを中心に小さなステージ(段差)があるだけなんですが、とても演奏しやすいんですよ。客との目線の高低差が絶妙だったんだと思います。

当時入ってたバンドではドラマーだったのですが、その店でのライブではリズムマシンに任せてギター&コーラス。あとソロセクションを設けてもらってアコギ1本のインストもやりました。楽しかったなぁ(そのソロステージで大?失敗をヤラカしたのですが、長くなるので別な機会に…)

音楽活動のほか、当時は占いのサークルもやっていたんですが、マスターのおかげでいろんな人から「占ってみてよ」と相談をいただきました。

お金のやり取りは無く、学生のお遊びと思ってくれてたのか気軽に声をかけてもらえたんですが、次に店で行き会ったときやマスターの伝言で「当たった」「外れた=実際は○○だった」という結果報告がいただけたので、それを元に「何が良くて当たったのか」「どうして外れたのか」を研究したり…(これも長くなるので…)

何にせよ、あの数年間の自分にとっては、本当に貴重な経験をいろいろさせてもらった店でした。学生生活の中で「大人たちとの付き合い」を学べた時間・空間でしたね。

そんな素敵な店も、いまではもう無くなってます。最後にそこへ行ったのは「結婚することになりました」とあいさつをしようと久しぶりに行ったとき…ちょうど臨時休業だったんですよそれがまた(苦笑)。仕方がないので手土産の紙袋をドアノブに掛け、メモを書いて置いてきました。あとから友だち経由でお礼とお祝いがありましたが。

その次に行ったときはもう店自体が無くなっていて、とても寂しい気持ちでした…。

…と思っていたら、数年後に思わぬところでマスターと再会。カミさんと子ども連れでとあるショッピングモールの薬局に入ったら…いたんですよマスターが。お互いすぐ気付いてビックリでした。

「ずいぶん太ったね。幸せ太りかな(笑)」と言われました。マスターは相変わらずビシッとしてはいたんですが、それでも最初のころに比べてずいぶん年を取ったなぁと感じたのを覚えています。

近場のモールじゃなかったので、それっきり行き会うことはなく…もうとっくに引退してるだろうなぁ。

ともあれ「カッコイイ大人」になって「楽器のあるカッコイイ店をやる」というのが、私にとって憧れの未来のひとつでした。さすがにいまからだと無謀すぎますけど…てか初めて会ったころのマスターより年上になっているのかな、もう。

 

さておき「ごちうさ」。マイティリゼさんでもピアノは苦手だった…とは。

個人的には楽器の演奏は「文字を書く」のと同じじゃないかなと思ってます。それも筆字です。

綺麗な、あるいは芸術的な文字を書けるようになるには、それなりの努力は必要ですが、とりあえずの字を書くのは「ちゃんと練習さえすれば」何とかなるんですからね。

ただ、筆の持ち方とか書き順とか「基本を正しく」「よい先生に」習っておかないと、あとあと困るのも同じです。まるっきりデタラメな書き順でも文字にはなるんですが、どんどん書く文字(漢字)が増えていくと、基本を身につけていないと行き詰まります、きっと。

そうは言っても楽器も書道も「たった一つの正しいやり方」があるわけではなくて、流派のようなものはありますよね。ピアノなんかも「指を立てて弾く」(←伝わりにくい)のがいまの「基本で正しい弾き方」だと思いますが(古い?)、超一流のピアニストの中には「寝かせ気味」の人もそこそこいたりします。それを「間違いだ!」とは言えないでしょうから。

話が逸れましたね。軍人気質のリゼさんなので、どちらかというと「臨機応変」「柔軟な対応」が苦手なタイプなのかも。いえそうとも言い切れないシーンもあったな。

スポーツ競技のように「勝負」や「数字で優劣」なら得意なリゼさん。苦手分野も克服しようというその姿勢はスキです。いま思いついたんですが「ロゼ」モードになるといきなり上手くなったりしないんでしょうかね(笑)。