「君と銀木犀に」by 相澤いくえ まんがタウン 2021年1月号p169 双葉社
そういう、いわば「宿命」の人は、この世には大勢いるんでしょうけど、私自身はそうではないため、そこに思いを馳せることはできても、たぶん「実感」することは一生できないのかもしれません。
どちらが良い悪い、幸せか不幸か、そんなことはどうでもいいことなのでしょう。そこには現実があるだけ。人間はそういうものだと思います。
…いやそういう考え方こそ「移動して生きてきた」からできる考え方なのかな。
生まれ育った(育つうちにも何か所にも移動しましたが)場所への愛着はあるはずなんですが、それより「いろんなところで暮らしたい」という気持ちの方が強かったのは確かです。好きにさせてくれた親には、いまでも感謝してます。まあ継ぐ必要がある家ではなかったのですがね。
長すぎる自分語りはマイナスになる気がするのでこの辺で。「君と銀木犀に」です。4話目にしてもう名作の予感がします。
絵柄は好みが分かれそうかな。こういう画を描く人は「無声映画」や「モノクロの古い映画」で感性を育ててきたような感じを受けます。キライじゃないです。
ただ、この作者さんが原作を書いて、別な作家さんが絵を描くとどうなるかな?と思うことはあります。絵柄の良し悪しではないです。全然そういうことではなくて、古い作品のリメイクは「ハズレも多いけど当たると大きい」気がするもので。あ、実写化に向いているのかも、もしかすると。
勝手な想像ですが、作者さんの脳内には「この二人のキャラが生きて」いて、この先の展開を紡ぎだしてくれているような気がします。くれぐれも打ち切りなどの憂き目に遭いませんように祈ってます。