「となりのフィギュア原型師」by 丸井まお まんがタイムオリジナル 2021年1月号p67 芳文社
才能で乗り越えてしまえるのはもちろんイイことです。知恵と工夫で苦労を最小限にして乗り越えるのもイイことだと思います。壁にぶつからずにかわしていけるならそれもまたイイことでしょう。
でも、長い人生で大事なのは「適切な時期」に「努力と根性のトレーニング」をしておくことじゃないでしょうか。そんな気がします、特に最近。
なにも「苦労をしないといけないぞ」と言いたいわけではないのですよ。
人間の身体が成育するには「鍛えるタイミング」ってあるじゃないですか。例えば高校生くらいのころは、とにかく「腹が減ってやたら食う」し「いつも眠くてやたら寝る」ますよね。でも「なんか動きたくって部活とか筋トレとか」にハマったりする…で、その時期に体格とかってある程度決まったりするもんだと思うのです。
それと同じで「精神」にも「鍛えるタイミング」があるような気がします。
ただ、身体とはちょっとタイミングのタイプが違うというか…もっと「長い期間」で、じわじわと「鍛え時期」を迎えるんじゃないかと。
なので、できれば「努力と根性」をバカにせず、自分の「精神」を鍛えるためにあえて「バカみたいに頑張る」ことで壁を乗り越えるトレーニングをしておくとよろしいかと。
この利点は「頑張れる自信」がつくことはもちろんですが、それ以上に「頑張りどころを間違えない」ようになることです。そんな気がします、特に最近。
頑張って乗り越える経験を積むと「これは頑張っても乗り越えられないタイプの壁だぞ」と分かるようになります。私の経験ですけど。
壁をかわす経験ばかりだと、そのセンサーが鍛えられなくなるので、長い目で見るとマイナスになるんじゃないかと。いえスイマセン私そっちの経験が少ないので想像ですけど…。
…正直に言えば「才能」や「知恵&工夫」で乗り越えられる人、壁をかわせる人がうらやましくもあります。でも「頑張って悪戦苦闘して」その上で乗り越える(あるいは乗り越えられない)経験は、きっと人生の先の方で役に立つ。そんな気がします、特に最近。
そのうち年齢を重ねると気付くと思うのですが(経験です)、人間の身体はやがて「鍛えることができない」ようになります。弱ってもろくなるので「庇っていくしかない」という現実に直面します。そのときに「ああ、もう少し鍛えておけばよかった」と思っても、どうしようもありません。
一方で、精神は「立ち向かう自信」をしっかり育てておけば、身体より長持ちします。そう、少なくとも身体よりは。
精神の「弱ってもろくなって」からの「その先」は、まだ私も経験していません。でも、人生の先輩方の様子を見ていると、しっかり「自信」を育てた人は、ずっと若々しい精神を持ち続けているようです。そう、死ぬ直前までも。
えらそうに言ってますが、私は「身体」も「精神」も中途半端です。でも「努力と根性」がもたらすものは経験で知っているつもり。その経験を得た「自分が選んだ人生」は、かなり高得点をつけてあげてもいいかな、と思っています。
とかなんとか年寄りのたわごとみたいな文はこのへんにして「とな原」。この作品って公式略称はあるのかな?わからん。
いーねぇ、せっちゃん。いいキャラですなぁ。このオバカさというか不器用さというか、でも折れないところ(今回は折れかかってるけど)はスキです。この作者さんは前作の「牧場OL」も良かったのですが、この作品も「本領発揮」感があって毎回ニマニマさせられますね。
最初はこのひとつ前のページのコマをピックしようと思ってたんですが、やっぱこのファイティングポーズと表情が良くてこっちのコマに…うん、よろしいぞせっちゃん頑張れ!
今年も「4コマオブザイヤー」の時期になりましたね。私はこれから投票なんですが、いまのところ「新刊部門」にはこの作品が入ってます。4つは決まりました。問題は最後の一枠、どうしよう悩むなぁ…。