ヒトコマラクダの日記

日々読みふける4コマ誌から1コマ引用して日記にします。基本は「自分語り」ですのでご承知おきください。

デジタルの圧倒的アドバンテージは百も承知の上で、それでもアナログの魅力には勝てないよね…?

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「ハルメタルドールズ」by カコベン まんがタイムきららMAX 2020年9月号p98 芳文社

 

オープンの16トラックMTRとかにあこがれていた世代です。トシがバレます、ハイ。

実家にいた最後の一年、当時15歳の私は父のオープンリールを譲り受けて、ピンポンで多重録音に挑戦していました。はっきり言って稚拙極まりないレベルでしたけど、もしかするとあの頃が「一番音楽が楽しかった時代」だったかもしれません。

同級生とバンドを組んでて、担当はドラムだったんですよ。とはいえ団地暮らしだったので(父親が「アンチ持ち家主義者」のため)自前のドラムなぞ持ってませんでしたが、その代わり当時出始めた「シンセサイザー」が宅録の武器でした。忘れもしないYAMAHAの「CSー10」というアナログのモノフォニック(単音しか出ない)シンセサイザーで、学校まで持って行って音楽室のグランドピアノの上に据えて、よくゴダイゴの「銀河鉄道999」のソロを練習したものです。残念ながらその後実家を出て就職したので、人前で演奏する機会は無かったんですけどね…(トオイメ

話はソレますが、999のソロってスタジオとライブでちょっと違っていて、あの頃は頑張って耳コピした覚えがあります。スコアも出てたけどスタジオ版だけだったので。ライブヴァージョンを元にピッチベンドでぐにょぐにょさせて喜んでましたっけ。若かったなぁ(笑)。

結局「自分の中で音楽制作に夢中になれた時期」がアナログ環境だったので、どうしたって音の大黒柱はアナログで構築されちまっているわけです。いえその後は転職して映像制作のプロ現場に入ったので、世の流れに沿ってMacを中心にした環境を組んだりもしましたし、いまだに処分できずにいるHDDベースのデジタルMTRとかも使ったりして、主軸はデジタルになってしまっているのも確かですが…。

「アナログvsデジタル」の話になると、どうしても音の良し悪しが中心になってしまうのですが、個人的に決定的な違いだと思っているのがデジタルは「やり直し(アンドゥ・リドゥ)やツギハギ(サンプル処理)が出来る」=「一発勝負への集中力に欠ける音楽になりやすい」んじゃないかと。良い方に捉えるなら「制作途上で磨き上げることが出来る」のかもしれませんがね。

ただ、間違いないのは「音楽は『時間芸術』である」ということで、つまり「一瞬一瞬が音楽の命である」と思うのです。だから「練習ではどんなに必死に磨き上げても、本番は一発勝負であるべき」だと、私自身は心のどこかでいつも考えています。…まあ便利なのでイイとは思うけどね、デジタルも。

 

キリが無いので「ハルメタ」。現在MAXでは「ぼっち・ざ・ろっく」という音楽テーマの先行作品があるんですが、こちらもなかなかイイ掘り込み方をしてる感じです。ちょうどゲーム制作がテーマの「NEW GAME!」と「ステラのまほう」のように、舞台も切り口も違うけど「どっちもイイ」と思えるんですよね。

ただ、あえていえば「ハルメタ」の方が「バンドとかをやってるとよく近づいてくるアクシデント」を上手に描いているかも。対バンにツブされそうになるとかね。もう殿堂入りになると思う「けいおん!」とかでもあまり出てこない面の「バンドあるある」が、この作品全体の魅力を引き上げている気がします。

あと、チズのギターが「フライングV」なのも攻めてる感があってスキ。HR/HMでも「無視できない立ち位置」を現わす機種だと思うので、それを主人公に弾かせるなんてとこが作者さんのセンスというかがすごいなと。私自身はさわったこともないんですが、やっぱり気になる機種ですよね、フライングV。とはいえブリッジはレスポールと同じストップテールだし、スケールもミディアムスケールだし、案外弾きやすいのかな?