「三毛猫アイスクリーム」by 深谷りん まんがタイムきらら 2021年12月号p195 芳文社
親元を離れてからですので四半世紀ほどになるのか。
いまどきの家庭には「鰹節削り器」なんて無いでしょうね。私らが子供のころでも、かなりの絶滅危惧種でしたから。
いま思えばすごくヘタクソな削り節だったと思います。それでもパックに入った「すでに削り節になったもの」より美味しい気はしましたね。
もっとも、技術の進歩で「おいしい削り節」が出回るようになり、そうこうするうちに「ホンモノ並みの味わいのだしの素」が出回るようになり…ああ、昭和は遠くなりにけり…というヤツです。
父方の愛媛方面は「いりこダシ」が多かった憶えがあります。それに比べるとやはり上品な味わいだったような…でも子どもの舌ではそれほど区別がついてなかったかも。
大阪都心部に住んでいたときには、すぐ近くで鰹節の工場だか問屋だかがあって、いっぱい鰹節を並べてあったんですよね。あれって干してたのかな。ネコとか寄ってきたらどうするんだろうと子どもながらに心配していた記憶はあります。
さておき「カツブシブレード」の強力さが見てとれる「三毛アイス」。1話目より話の全体像が見えてきて、面白さが増してきてます。
といいつつ「1話目ってどんな感じだっけ」と先月号を見返しても載ってない?と思ったら10月号に載ってました。確かに1話目はまだちょっとスジが分かりにくかった感じですかね。
個人的には画に個性があってとてもスキです。きらら系は良くも悪くも「きららスタイル」があって、その範囲内での個性の競い合いっぽい気がするんですが、この作者さんはそこから半歩くらい横に踏み出していて、それがまたイイ感じになってます。
頻繁な引っ越しって、ネコにはスゴくストレスになるんでしょうね。人間だって環境の変化がジワジワとメンタルにダメージを与えてくるわけで…。
ともあれ、3匹それぞれの感情が丁寧に表現されていて、この先どういう展開になるのか楽しみな作品です。連載化希望です。