ヒトコマラクダの雑記帳🐪

日々読みふける4コマまんがからヒトコマ引用して記事にします。最近は不定期更新。

「善いか悪いか」もですが「賢いかアホか」も「神様に好かれるか否か」を分ける気がします。

「神絵師のおしごと」by 有野金吾 まんがタイムきららMAX 2025年7月号p29 芳文社

 

「あの人はいい人だ」というときには、たいてい「性格が良くて人徳もあって善行をする人」を指すと思います。そしてそういわれる人は基本的に「賢い」人だとも思います。たぶん。

一方で「バカ(アホ)は長生きする」とも言いますよね。…「バカ」か「アホ」か、そこのところの区別にこだわりたい気持ちはありますが、今回はスルーします(笑)。「賢い人間より愚か者の方が長生きする」という意味で考えますと、おそらく「考えすぎたり悩みすぎたりするタイプは長生きできない」ということになるんじゃなかろうかと。

形而下的にいえば「真面目で正義感が強い」ことが「過剰なストレス」を呼び込んでしまう…それゆえに「寿命が短くなる」ということかも。

何度か書いているワタシの親友だった男は、そこまで「真面目で正義感が強い」というほどではありませんでしたが、根は真っ直ぐで「実直型」でした。外資系企業に勤務していましたが、やはりかなりのストレスに日々さらされていたようにも思えます。ええ、いまになって思えば…というヤツですが。

彼のことを思うと「いい人は神様に好かれる(≒早世する)」というのは本当かもしれません。多少のお茶目さはありましたが、基本的に「九州男児らしい性格」を持っていました。世代によって感じ方は違うんでしょうけど…彼は典型的な「いいヤツ」でしたね。

いつだったか、ビリー・ジョエルの「ウィーン」という曲を「この曲、ラクダに聴かせたいと思って…」と言ったのを覚えています。ワタシはビリーの曲はよく聴いてましたし、収録されているアルバム「ストレンジャー」も持っていたので、もちろん「ウィーン」も知っていました。ただ、そのころワタシが好きだった曲は「マイ・ライフ」でしたね。

曲の解説をすると長くなるので割愛しますが、「マイ・ライフ」が好きなワタシに、彼は「ウィーン」を奨めてきた…というのは面白いハナシではあります。ええ、歌詞の内容が対称的なんですよね。

あのころのワタシは、自分では「マイペースで、やりたいように人生を進もう」という姿勢でいるつもりだったのですが、彼から(あるいは周囲から)見ると「Slow down!」と言いたくなるような生き方に見えたのかもしれません。

くしくも、それから数年後には、ワタシは「モラトリアム期」に入ることになります。将来へのビジョン(≒就職に役立つ勉強)とかよりも「いまスキなこと、楽しいコト(≒オベラをはじめとする音楽)」に傾倒し、ある意味「レイドバック」な時期を過ごしました。

それが良いことだったのか、そうでなかったのかは、いまもって分かりませんが、少なくとも「生き急いでいるように見えた」ワタシには「必要だった時期」だったんだろうとは思います。

そして、どういうわけかワタシに「ウィーン」を聴かせたいと思った彼の方が、先に亡くなってしまった。仕事とか家庭とか健康とかがどういう状態だったのかは分かりませんが、結果として「世間一般としても短いといわれる人生」になってしまったことは…残念です。

なんとなく、彼は「賢くて善い人」で、ワタシは「アホでデキの悪い人」で、神様はワタシより彼のことを気に入ったのかも…などと…思ってみたりしてね。

以前、ブログで「神様にとって人間なんて『水槽の中で飼っている熱帯魚』みたいなもの」という記事を書いたのですが、そう考えると「神様に好かれる」というのは「大きな生け簀の中からすくい上げられて」「神様のリビングにある小さな水槽に移される」ようなものかもしれません。神様に好かれた人は、一見死んでしまったようでいて、実は「神様のそばのキレイな水槽の中で生き続けている」…早世した彼もそんな幸せの中に生きていてくれたらいいな、と思うのです。

ちなみに、アルバム「ストレンジャー」には「若死にするのは善人だけ (Only the Good Die Young)」という曲も収録されています。「罪人と一緒に笑う方がいい」というフレーズ(I'd rather laugh with the sinners)がミョーにスキだったりして(笑)。うん、そうだね、たぶん神様に好かれるタイプじゃないんだろうね。

 

 

想定外の長文になってしまいましたが「神おし」。ツバキの「信仰復活計画」から展開するうちに、最初のころには思いもしなかったオハナシになっています。

ただ、すごく象徴的なのが、信仰の形は「怒りでも憎しみでもいい」というツバキの言葉です。宗教というと「進行による心の安寧(あんねい)」なんかが前面に出てきがちですけど、実はもっとエモーショナルでパッショネートなものであって、それが「神のチカラを現世に顕現させる」のではないかと思うのですよ。

そんなわけで、さョちゃんの「感情」がツバキ(神)のチカラになったりするんでしょうかね。なかなか面白い展開です。

そうそう、もう2か月過ぎてしまいましたが、単行本1巻の表紙がかなりイイ感じなんですよ。超広角レンズっぽい鳥居の描写と、準標準レンズくらいのツバキたちの描写が不思議なくらい絶妙に組み合わさっているところに惹かれます。イラストのチカラ…写真でもAIでもない「ヒトが描く世界」のステキなチカラがここにもあると思うのですよ。よよ。