「けいおん!Shuffle」by かきふらい まんがタイムきらら 2020年10月号p13 芳文社
1年半ほどベース弾きだったことがあるんですが、マイ楽器を持っていたわけではなくて、バイト先の一回り年上の人から借りてました。グレコの「スティーブ・フォックス・モデル」で、スルーネックで弾きやすかったのを覚えています。
臨時(?)のベース弾きだったとはいえ、その間はいろいろがベースメインになって、自分のギターもあまり触ることなく、ベースに集中してた気がします。
MSGとかのコピーをやってたんですが、ギターは上手い後輩に譲って(獲られて?)ベースに回りました。まあ吹奏楽とかもそうですが、先輩後輩の関係があっても、やっぱり上手い人間がどうしても上位にはなりますから、そのこと自体はいま思い出しても不思議なくらい不満に感じてませんでしたね。
それより、いままで「ちょっとは興味があったけどあえて手を出さなかった」ベースが弾けることの方が楽しかった記憶があります。チョッパー(いまはスラップって言うんですっけ?)も「カッコ良さそう」と挑戦したんですが、難しくて「なんちゃってチョッパー」止まりでした。それでも面白かったんですけどね。
自分のベースが欲しいという気持ちもありましたが、何となく「本格的にベースをやる」には心構えが足りなかったのかも。結局マイベースは買わず、そのうち楽器もお返ししてギターに戻りました。
お手頃なベースがないかといろいろ調べてた時期もあって、市販のベースはほぼひと通りチェックしたはずなのですが、この夏音の弾く「レスポール・ジュニア・ベース」の存在は知りませんでした。おー、こんなのがあったのかーって感じです。うん、これなら買ってたかも。
てなわけで「Shuffle」。上級生組のバンドのお話ですが、なにげに「上手い演奏」というのを「表現せずに表現している」のが秀逸であります。そう、「みせずにあらわしている」ってやつですね。
テクニカルな演奏でもエモーショナルな演奏でも、音の出ないマンガやイラストの上から「読み手に伝える表現手法」はいろいろあるでしょうが、誰かに(この場合楓に)伝わったことを表現することで、演奏のすごさを読み手にも一緒に伝えてくるところがうまいなぁと感じます。
あと、これは案外みんな軽視している気がするんですが、本当の「合奏のすごさ」は、その演奏者たちとの距離が近くないと感じとれないんですよね。どうだろう、10メートル?いや7メートルでもNGかもしれない。
管弦楽や吹奏楽だと指揮者がいるから、互いに多少離れた演奏者でも音楽を作れる(整えられる)けど、バンドだとなかなか…。お互いの「音を聴き合う」ことでどんどんテンポが遅れたりしますから。
だから、ホントにすごい演奏を目の前で聴くと、ホントに「すごいもの見ちゃった…」ってなるんですよね。そうそう、アニメ2期最終回の「天使にふれたよ」の、唯たちとあずさのあの距離なんです。近いと感じるかもしれないけど、あの距離が大事なんだよなーと、個人的には思うのですよ。
まあそういうことを抜きにしても、本家(?)の「けいおん!」に負けない名作になる予感がする「Shuffle」です。休載も多いですがなんとか長く続けていただきたいです。