「カワイイだけでは飼えません ~さくらば動物病院カルテ~」by とみた黍 まんがホーム 2023年6月号p115 芳文社
「コスパ追求」によって淘汰されたモノやシゴトがあるように、これから先は「タイパ追求」主義によって「時間効率が低いアレコレ」が悪モノにされていくのかと思うと、ちょっとコワくなってきます。
「コスト」ってヤツは、人間(社会)が生み出した「通貨」とか「貨幣経済」によって出来上がった観念のようなモノで、それの「対効果」や「効率」を求めるのは、ある意味「必要悪」のような気もするんです。でも「タイム=時間」は「人間の手にはおえない」ものであって、そこに「対効果」や「効率」を求めると、思わぬ大きな「落とし穴」にハマるように思えてなりません。
たとえば「教育」なんかは「必要があってかけるべき時間」があるはず。「学習効率」というのも分かるんですが、それは「試験対策」のようなものであって、本当に身につける「教養」とか「思考する能力」は、多かれ少なかれ「かける時間」が大事なんじゃないかなぁ。
もちろん「タイパを考えること」は必要だと思います。でも「タイパ」という言葉ができてしまったことで、本来「形而上的」な「時間」の概念が、一気に「形而下に引きずり降ろされた」感もあるんですよワタシには。
人間は社会的動物で、その社会や構成する人々が「高タイパや善し」とするなら、一人でその流れに掉さすことはムダかもしれません。でも、いまのワタシには「タイパ」という言葉に違和感がぬぐえないのも事実なんですよね。
うおー、何か偏ったジジイの妄言みたいな文になってるぞー。最初は「タイパってたい焼きパーティ?」みたいなネタにしようかと思ってたのにー(笑)。ということで今日も過去号からのヒトコマ、先月のブログでもお借りした「カワえません」からです。
実際「コスパ」しか会話等では使わないんです…もうオッサンですから。でもあと1年もすればフツーに会話やブログで使いそうな気もしてます。「時間効率」より使いやすく伝わりやすくなるでしょうねたぶん。
ともあれ、多忙な春シーズンで鍛えられた野地くん。ちょっとずつ成長する場面もあれば、一気に鍛えられて伸びる時期も、そしてスランプもきっとあるでしょうけど、こういうオハナシはスキですね。前向きにガンバるチカラをもらえますから。
例によって単行本されそうにないタイム系の作品のひとつではありますが、毎月楽しみにしています。ぜひ長く続いてほしいものですね。