ヒトコマラクダの日記

日々読みふける4コマ誌から1コマ引用して日記にします。基本は「自分語り」ですのでご承知おきください。

「八百万の神」という宗教観をもつ日本という国に生まれたことは、実に慶ばしいことだと感じるのです。

「えど。ぶんか」by 絵井みぃ まんがタイムきらら 2022年7月号p188 芳文社

 

どうやっても「ニュアンスも含めた正確なトランスレイトが不可能なモノ」ってある気がします。一時よく「モッタイナイ」という日本語が海外で持てはやされているような話を聞きましたが、実際そういうニュアンスを受け止めるには「脳が用いている言語にその単語が存在する」ことが不可欠だと個人的には思っています。

なので「八百万の神」という言葉が存在しない言語を用いている国の人には、そういう「すべてに神(霊)が宿る」という感覚は理解しえない。それが当然。おそらく。たぶん。

もちろんそういう理解しえないものは、私たち日本語を母語とする側にもあるはずで、だから「宗教とか文化とかは優劣をつけられない」ものだと思うのです。

文明には進化の流れがあって、その上流域か下流域かである程度の優劣はあるんでしょう。でも文化や宗教は「プリミティブなものにはプリミティブなりの優れた点」があるし、対する(デリバティブという言葉でいいのかな?違うかな?)ものにも欠点はあるわけです。

ともあれ、宗教の多くが(絶対神とか三位一体とか)多少の違いはあっても「一神教」なのに、日本は基盤部分、根底から「多神教」ですから、この特殊性が日本独自の文化をつくり、諸外国には真似のできない発展を成しえたと考えると、繰り返しますが「日本人に生まれて良かった」と思わずにはおれないのですよ私は。

 

 

そんなわけで「なんだかとっても素敵」なお話の「えど。ぶんか」。第1話はハラキリだったし、第2話もサムライで、なんにしろやや(かなり)物騒な「ぶんかふくげん」でしたが、今回はジンジャでしたのでなかなかよろしかったのではないでしょうか。

作者さんのは「サカナフライ!」からヒトコマお借りしたことがあるんですが、そのときは「面白さを共有する下地が見えない」ような感想を書いたんですが、今作ではぐっと読者(ワタシ)に近付いてきてくれた感があります。…いえそもそもワタシの側だけの問題だったかもですけど。

「サカナフライ!」も悪くなかったのですが、個人的にはこの「えどぶん」の方が好みです。とりあえずまだ「ゲスト枠」ですが、連載化を期待してます。江戸文化ならまだまだネタはありますからね。