「メイドさんはハジメテの友達」by 相馬一 まんがタイムきららMAX 2022年11月号p42 芳文社
波乱万丈、最高のときもあれば最低のときもある、でも人生の終わりで「ああ面白かった」と思えるのが、たぶん一番なんだと思います。ええ個人的な考えです。
ぼっちで運が悪くてゲームがヘタでも、そこで「まあこういうときもあるさ」と思えれば、ちょっと落ち込んでもすぐ脱出できるんじゃないかな。
要は「あまり深く考えすぎないこと」なのかも。いや「悩みすぎない」というべきかもしれません。
演劇の鴻上尚史さんが自著か何かで「考えることと悩むことは違う」と書いてました。言われてみれば納得できることですが、ややもすると「ただ悩んでるだけなのに、考えてる気になってしまう」という「ワナにはまる」ことはよくあります。
ポジティブシンキングの落とし穴…危険なところは、この「悩むことを放棄する」つもりで「考えることまで放棄してしまう」ところじゃないかなと思ってます。…ええワタシもときどきそういうことをやらかしますね、それも無意識にね。
ポジティブでもネガティブでも、モノゴトを考えることは人間にとって「成長するチャンス」だと思います。そして同時に「面倒なこと」でもあります。だから「ポジティブシンキング」も「ネガティブ思考」も、ある種「考えることを放棄する言い訳」になりがちです。だと思います。
「為せば成る」「やればできる」も頭から否定はしませんが、それが「考えることが面倒ゆえの言い訳」じゃないかを落ち着いて観察する必要はありそうです。もちろん反対向きの方面でもですね。
世の中…人間社会が「性善説」でも「性悪説」でも割り切れないように、個人の思考指向も「ポジティブ」だけでも「ネガティブ」だけでもダメなんでしょう。というか「無理やりポジティブにもっていこうとする」「なんでもネガティブに処理しようとする」のがいけませんね。そんなときは脳か心が疲弊してるんだと思います。とりあえず寝るといいです、きっと。
さておき「メイ友」…「メイハジ」?いい略称が思いつかないなぁ。公式のは無いのかな。
新しく掲載される作品って「最初っから100点で、それがずっと続く」ものから「最初から最後まで低ポイント」まであるんですが、ほとんどの場合はいろいろな波があります。この作品は「不思議とポイントを付けにくい」という、ちょっと変わった感触があります。いやこの作品のせいじゃないな、たぶんワタシのセンサーのせいだな。
連載開始から約半年で初ヒトコマお借りしますになります。いまちょっと過去掲載を読み返してたんですが、やっぱりこの作品の空気感というか独特の感触…まだつかみきれてない気もします。いえイイ作品だと思いますよ。画もお話も上手いし。
こういう作品って、だいたい連載1年目くらいで「あーなんかわかった気がする」ってなりそうです。てか過去でもこの手の作品はだいたいそうです。そうやって読み手としてのワタシも少しずつ成長するのかなと思ったり。
グルメ評論家の山本益博さんも「一流レストランのフランス料理も、初めて食べたときから美味しいと思えるワケじゃない。いろいろ食べ慣れてきてようやくその素晴らしさに気付くものだ」というようなことを書いてました。あれ、記憶があいまいだな。別な人だっけ。
ともあれこういう「個人的に少しわかりにくさのある作品・作者」って、ずっと気になってしまうものです。今後の展開に期待してます。
あ、忘れてた。今回この作品中でフブキくんがストローをガジガジ噛んでるところがあるんです。なぜかすごくすごく気になるコマです。いえすいませんそれだけです。