ヒトコマラクダの日記

日々読みふける4コマ誌から1コマ引用して日記にします。基本は「自分語り」ですのでご承知おきください。

コンクリートジャングルで生まれ育った私の場合、「こういう場所」に出会ったのが二十歳過ぎてからでした。

「茂林堂コーヒーハウス」by shinato まんがタイムきららキャラット 2022年9月号p191 芳文社

 

小学校高学年から中学にかけて住んでいたところは、いわゆる山を切り開いて造ったニュータウンだったので、少し歩けば確かに自然に近いところでもあったんですが、いま思えば「自然らしくつくられた自然もどき」だった気がします。

これまでの人生で「なんて素敵な自然なんだろう」と感じたのは、2度目に通った大学のときですね。天気の良い春の日に、大学への近道になる田んぼのあぜ道を歩きながら、ふと空を見上げ、遠くの山々を眺め、のどかな田園風景の中に自分がいることを感じたときに「ああ、ここに一生住んでいたいなぁ」と思いました。多少は記憶に霞がかかってきてますが、それでもいまでも脳裏に焼き付いている光景です。

もちろん、都会での生活にはそれなりの良さがありますし、人生の終盤にかかってきたときに、都会暮らしか田舎暮らしかを選ぶことになれば、悩みながらもおそらく都会の方を選んでしまう気はします。作家の渡辺淳一氏だったと思うのですが、年を取ったら猥雑な都会に住む方が良いと言ってました。いろんな刺激もあるしね。まことに同感です。

でも、このコマの言葉にあるような「刺激や欲望で上塗り」する生活を、若いころから中高年に至るまで、ずっと続けてしまうのは良くない気もします。たとえ数年でも、のどかな田舎暮らしを経験すれば、人間のもつ自然の部分に「大事な養分を与えてあげられる」んじゃないでしょうか。

 

 

さておき、キャラットに新しいタヌキ作品として登場の「もりんコ」…いや略すのムリっぽいなこれ。

「ポンポコタヌキとへっぽこ王子」という強力な連載作品があるなかに、あえてタヌキネタの作品を、ゲストとはいえぶつけてくるのは大したものです。そういえば無印きららでも「けいおん!Shuffle」というバンド作品があるのに「それでは、ステキなセッションを。」を連載したり、最近のきらら系は「自動車の販売店競争」みたいな様相を呈しているような…いやまあバンドものもタヌキものもワタシはスキですからいいんですけどね。

ゲストとはいえ12ページというボリュームです。もしかすると代原(誰かの原稿が落ちたときの埋め草)かもしれませんが、なかなかに気合が入ってますね。

作者さんは初登場ということなんですが、いままでお見かけした記憶がありませんし、ちょっと調べた範囲には情報もありませんでしたので、新人さんでしょうか。

タヌキ本体の描き方はリアル目ですが、人間化したキャラはそこそこイイ感触です。なにより先輩格のきなこさんにスタジャンを着せるセンスがスキです。ええ、タヌキ人化キャラと言えばスタジャンです。根拠はありませんがワタシもそう思います。

何回ゲストとかの表記がないんですが、長く続いてくれるといいなぁ。期待してます。