ヒトコマラクダの日記

日々読みふける4コマ誌から1コマ引用して日記にします。基本は「自分語り」ですのでご承知おきください。

メンタルの不調を「疾病」とするか否かは難しいですよね。

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「無田さんは生きづらい」by 蟹田ほだか まんがタイムきららCarat 2022年1月号p192 芳文社

 

もう○十年以上前、自分のメンタル面の課題を知人の新聞記者に話したら「それってアダルトチルドレンってやつじゃないか?」と言われたことがあります。育った環境、父親が非常に厳しかったこと、完璧主義や自己犠牲に走りがちなところなどが症例に該当するというのです。

確かにそういう面も持っていたのは自覚していたので、その手の本も読んでみたり…。でも自分では「ちょっと違う気がする」とも感じてました。

そうこうするうちに、彼が紙面で「アダルトチルドレンをはじめとするメンタルについての記事」を連載するようになり、何度目かの取材の対象にされました。

自分も取材をすることがあるので、ちょっとイヤな気持ちもこの際抑えつつ応じたのですが、果たして取材する対象として価値とか方向性が合っていたのかは少々ギモンではあります…いまもね。

それから十年ほど過ぎて、ちょっとここにも書きにくいいろいろな出来事があり、自分でも「これはマズイのではないだろうか」を思って精神科を受診したことがあります。担当してくれた先生はかなり高齢でしたが、物腰も柔らかく、話をしてちょっと気が楽になった覚えがあります。

明確な「疾病」とは診断できず、でも先生は「病名を適用できないと薬も出せないし治療もできかねる」ということから「不安神経症パニック障害」ということになりました。正直、症例のうちで該当するのはそれほど多くなく、先生も困ってましたけどね。

でも、そのときに処方してくれた薬はかなりイイ感じに効きました。ただそれを連用すると仕事の面で不具合が生じそうで、いろいろ言い訳をして結局自分から通うのをやめてしまいました。よかったかどうかはいまも分かりませんが…。

ただ「精神科の薬」を使用したおかげで「人間のメンタルなんて薬で簡単にコントロールできる」という事実を己の身で実感できたのは、とても貴重な体験でしたね。

その後も「発達障害」をはじめとするメンタル方面は自分なりにいろいろ勉強してきたのですが、よくある「自己診断テスト」とかをやっても「正常です」としか結果が出て来なくて、自分では「こんなにメンタルで苦しんでいるのにおかしいなぁ」と思ってました。いまも思ってます。

「疾病利得(病気ということで得をする≒利益になる)」という言葉があるのですが、自分では自覚してないながらも、心の奥底に「病気と認めてもらえればこのツラさから逃げられる(ついでに楽もできるかも)」という気持ちがあるもかもしれません。ええ認めたくはないのですがね。

 

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そんな私の話はこの辺にして「無田さん」。読んでいてふと「疾病利得」を思い出したのですが、この作品中の無田さんはそういう雰囲気がないです。純粋に「生きづらい」と感じていそうです。

私は精神科にかかる前に、友だちで現に精神科にかかっているという人に相談したのですが、相当勇気が必要でした。(ちなみに前に書いたLGBTの彼です)

ただ「同じような苦しみを感じている人間」とつながることで、正直ものすごく助けられたといまでは思っています。なので作品中の二人の関係にはとてもひかれますね。

ともあれ、無田さんと弘中さん、この二人のお話をもっと読みたい気持ちがすごく強いです。作者さんにはぜひ続きを、そして再度の登場をお願いいたしまするぅぅ~>芳文社さま