ヒトコマラクダの日記

日々読みふける4コマ誌から1コマ引用して日記にします。基本は「自分語り」ですのでご承知おきください。

4コマという「シバリ」があるからこそ、ここぞというときの「コマ割り」が生きる気がします。

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「のむラリアット!」by こんぱる&ふじしまぺポ まんがタイムきららMAX 2021年11月号p124 芳文社

 

実のところ、これまでは「人の動きや技、位置関係」等々がイマイチつかみかねていた作品だったのですが、今回はものすごくテンポよくそれらを読み取ることが出来ました。…いえこのこと自体は「私のリテラシーの問題」であって作者さんたちの責任ではありません、念のため。

で、意図したであろう「4コマ破り」での「伝えたいものを表現する」ことを考えていて、ふと「ドゥービー・ブラザーズ」のヒストリービデオの中での、ドラマーのジョン・ハートマンの言葉が思い出されたんですよね。

ドゥービー・ブラザーズって編成がすごく変わっていて、ドラムが2人いるんです。デビュー直後からずっとドラムが2人。ときにはパーカッションも加わって3人だったりしたこともあったりね。

そんな変わった編成のロックバンドになった理由をジョンが説明していて(ちょっと記憶があいまいですが)「抑えるときはミニマムにできるし、盛り上げるときは思い切り大きく音を前に出せる」というようなことを言ってました。

今回の「のむラリ」を読んでいて「ずっと4コマの範囲での抑えた表現で溜めておいて、ここぞというときに思い切ったコマ割りでアクションを魅せる」そういうことができるのが4コマのイイところだなと改めて感じました。だって4コマじゃないまんがだと、抑えた表現を続けるときのコマ割りを4コマのような単純なモノにできないじゃないですか?絶対いろいろコマ割りを変えちゃうでしょうからね。

このページから4ページ間は全然4コマじゃなくなるんですが、迫力がスゴイです。臨場感って言うべきかな。一回目に読んだときにも伝わってくるんですが、何度も読み返すといろんな見え方が増えてきて、なんというか「表現したい(であろう)いろいろ」が分かってくると読んでいてもっと楽しい。

話は逸れますが「同じ漫画を何回も読むということが理解できない」という人がいますけど、私に言わせればそっちの方が理解できないです。構想から始まって完成品になるまでに注がれたエネルギーや時間を考えれば、何十回読み返しても味わいつくせないとすら思うことはよくありますもの。

 

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長くなりましたがそんな「のむラリ」。公式略称ありましたっけか?あとヒトコマお借りするの初でした。…そっかネタとして絡めにくかったせいかも。

この作品を読むまでは、ほとんどこの作者さんコンビを知らなかったのですが、やっぱり面白いですよね。画とストーリーを別々に担当するのって難しそうなイメージがありますけどどうなんでしょう?てか個人的に「コミカライズ作品にときどきビミョーなのがある」からそういう印象を持っているのかもしれませんが。

その点、こちらのお二人はとてもイイ感じですし、他にもコンビ作があるようですので、相性が良いのでしょうねきっと。

あと今回はモノクロですが、カラーがとてもステキです。色使いがそう感じさせるのかな。…これアニメに向いてるんじゃないでしょうかねぇ芳文社さん?