「ぼっち・ざ・ろっく!」by はまじあき まんがタイムきららMAX 2020年11月号p22 芳文社
あまり出版業界に詳しくないのでピント外れだったりするかもですが、持ち込みして編集部に預けてあった原稿が「代原(落ちた原稿の穴埋め)」としてゲスト掲載になることもあるらしいですね。
ただそういう掲載をきっかけにゲスト枠を得たときでも、編集者さんから「いま異世界モノがキてるからそれで」とか「いまちょうど同じテーマの連載があるから違う方向で」とか、持ち込み等で描いてた得意なジャンルとは違うモノと要求されたりもすると聞いたことがあります。いえホントかどうかは知らないのですが…。
それでも「アウェイなシチュエーションでどこまでやれるか」にトライすることで、何かしら得るものや成長することもあるでしょうから、作者のみなさんはそれぞれ工夫して全力で取り組んでいるんだろうなと思います。
私が「単行本より雑誌派」なのは、そういう作品との接点を大事にしたいというのもあるんですよね。よほどの天才でもなければ、ゲスト時代から完成したスタイルをもっていて画もストーリーもハイレベルな人はそうそういないのですが、それでも「お?これはなかなか…」と思わせる作品もあるので、そういう人が連載枠を獲得したり、そのときはダメでも次の作品で大きく成長してきたり、雑誌を読み続けることで見えるものも多いと感じています。
音楽とかバンドとかも、箱(ライブハウス)に通ったり、最近は少なくなりましたが深夜の音楽番組なんかを毎週観てたりすると、ときどき「お?」と思わせるのと出会うことがあります。
記憶に残っているのは、ブレイク直前くらいの「プリンセス・プリンセス」をテレビで偶然観たときのこと。2曲演奏したのですが、2曲目の「WONDER CASTLE」(もしかしたら「冗談じゃない」だったかも)に釘付けになりまして、翌日だかすぐにアルバム「HERE WE ARE」のCDを買いに行ったのを覚えています。歳がバレますねw。
そういえば「イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)」なんかも、自分からは積極的に接触しにいかないタイプのバンドが観れたりして、ある意味イイ刺激をもらっていたかも。で、好みじゃなくてもやっぱり印象に残るバンドは勝ち抜くことが多かったし、その後もメジャーになって生き残っていきましたからね。歳がバレますねwww。
そんな話はおいといて「ぼちろ」。多少のバラエティの豊かさは許せても、あまりチグハグだと困るよね。「目当てのバンドのときだけ盛り上がる親衛隊(=ほかのバンドは観る気なし)」がいたりすると特にね。
そういう連中まで含めて「全員ファンにするライブ」かぁ…。デカくでたなぁ山田。でもホントそれくらいの気合でかからないと、極端なハナシ「バンドやってる意味(価値)が無い」とも言えるかも。
もちろん「単に盛り上げられれば勝ち」というなら、ダレでも簡単にできるのは「みんなが知っている曲」で「一緒に歌ってもらいやすい曲」「盛り上がるタイプの曲」を演ればいいんですが…それってカラオケスナックでハウンドドッグの「フォルテシモ」(古いか?)を歌うのと同じで、バンドでやってもつまんないことだと思うのですよ個人的には(悪いことだとは言いませんよ別にアリだと思うし)。
だからオリジナルを演る時点でもう「よほどでないと客をつかむのは無理」なんですが、それでもたまに「初めて聴く曲(←あたりまえ)なのにヒキツケられる」こともあるわけで、それって…少なくともテクニックとかじゃない部分の「チカラ」なんでしょうねたぶん。
この作品の、ときどき横みちエピソードも挟みながら、着実に前へ向かっていくストーリーはスキ。結束バンドがどういうライブを見せるか、次号も楽しみです。