「ひみつトリニティ」by 森永ミキ まんがタイムきららMAX 2018年4月号p171 芳文社
「ウソをつくことで保たれている秘密」の場合、秘密を打ち明ける(バラす)ことが、イコール「だましていたことを認める」ということになる。そこが「(打ち明けた)秘密の共有」の一番ムズかしいところだと思います。
秘密を明かす前は「だましていた」「だまされていた」という関係なわけで、そういう立ち位置を維持していた過去があるのに、秘密を共有し始めた途端にその相手との(秘密を共有するという)信頼関係を築く(つくりあげる)というのは、私の感覚からいえばフツーは「それ無理」なんですよね。
だから、個人的には「ウソをついてしまったら、意地でもつき通す」方が、相手のためにも自分のためにも良いのではないかという考えです。もちろん、秘密がバレてウソをついていたことが分かってしまったなら、そこはそれ、潔く認めるのもアリですが。
それでも私自身は、ある人が「ウソをついてまで秘密にしたいこと」であるなら、それがたとえば大量殺人計画のようなものでない限り、秘密を暴いたりウソを見抜いて晒したりはしたくないし、そもそもそうする意味があるとは思えないのですよね。
…アレ?何か以前にも似たようなこと書いてなかったっけ?と思ったらやっぱりむかしの記事にありました。そう、まさに「未熟な人間性」なんだと思うわけですよ。ウソをつくことは良くないことかもしれないけど、そこのところで「稚児(ややこ)しい」ことをせずに「大人(おとな)しい」やりかたで社会をまわしていくのがよろしいのではないかと…。
まあそんなややこしい話は置いといて…と(笑)。
最近「2~3年前に半年ほどブログを休止していたころ、一読して自炊だけして放置状態だった4コマ誌」を読み返しているんですが、前回のミナミトさんに続いて、今回は「旅する海とアトリエ」を現在連載中の森永ミキさんのMAX初登場作「ひみつトリニティ」からヒトコマ。
将来、何かの単行本に再録されるかもしれませんが、まあほとんどの人は読まないかも(失礼)しれないのでネタバレしてしまいますけど、このコマの「遠藤優」の秘密は「実はオトコ」というヤツだったりします。あと2人のキャラ(「芹田まりえ」と「林美保」)も秘密があるけど「黙っているだけでウソはついてない秘密」でしかもまあまあライトな秘密。それに比べるとある種「世を欺く秘密」なのが優のウソなわけです。
ここで個人的なハナシなんですが、実は20年来のつき合いになる私の友人の一人が、ある日「自分はゲイである」とカミングアウトしたことがありまして、仲間内ではちょっと騒ぎにもなりました。ただ、彼の場合もなんですが、やはり「だまし・だまされの関係を乗り越えられると信じて」秘密を明かしたわけで、結局多くの友人は、彼がゲイであっても変わらず友人であり続けました。もちろん、私も。
というわけで、個人的な経験も相まって、この作品は「ステキな作品」だなぁと思うのです。人間と人間の関係っていろいろあるけど、そこはやはり「積み重ねた何か」がモノをいうのかもしれませんね。
…うーむ、何か言っていることが二転三転しているぞ(汗)。