ヒトコマラクダの日記

日々読みふける4コマ誌から1コマ引用して日記にします。基本は「自分語り」ですのでご承知おきください。

「素材の魅力」に余計な手を入れずに「素材を生かした完成品」を作れるのが、たぶんきっとベストな映像制作だと思う。

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「ぼっち・ざ・ろっく!」by はまじあき まんがタイムきららMAX 2020年6月号 p22 芳文社

 

ただ「向上心」とか「より良いモノを」とか「全力を傾注して」とか…そういう一見良いことに感じるヤツが、どうしても制作者には付きもので、それがややもすると「小細工」という形になることはあると思う。だいたい「あ、これビビっとキタ!」とか「これがアタシを呼んでる!」とか言うヒトの多くは、往々にして「素材の魅力」より「自分の演出」を前面に出しがち。それで成功した例もあるんだろうけど、個人的には失敗している方が圧倒的に多い気がする。

例え方がイマイチだとは思うけど、料理でいえば「江戸前のにぎり鮨」のようなやり方がベストに近いのかもしれない。手の込んだ料理にも良さはあるんだろうけど、いわゆるプロモーション映像では「凝りすぎ」なモノが多すぎるね…主観だけど。

ミュージックビデオだと、音源はスタジオで画像がライブのイイトコをつないで当てたのは結構スキ。もちろんライブ音源もいいんだけど、ただのステージ映像にならないような見せ方が出来ているMVは、ライブ盤以上の仕上がりになっていて、何度見ても飽きない。

コレというオススメがすぐ思い出せないけど、初めてMVで「釘付け」になったのはモトリー・クルーの「ワイルドサイド」。古いね我ながら。

回転ドラムライザーが知られているけど、個人的に一番好きなのはその少し前、ギターのミックが右手を挙げたままくるりと後ろを向くと、パイロが破裂するシーン。何回みてもなんというかシビレる。

いまもYoutubeで観てきて感じたのは、すべてがハイレベルではなくて、ある意味「時代に乗ったがゆえに時代に置いていかれた感」もあるんだけど、少なくとも「素材の生かし方」はスゴイと思う。まあスキだからバイアスはかかっているだろうけどね。

 

そんなこんなで「ぼちろ」。「ぼざろ」の方が略し方としてはメジャーなのかもだけどあえて「ぼちろ」。これもスキゆえのバイアスがあるとは思う。

イマドキの音楽シーンではどんなMVが作られているのか、詳しくは知らないけど、いい意味で「要は売るための映像」なので、昔同様に「濃い目の味付け」はされているのが普通なんだろうね。何度もいうけどそれが悪いわけじゃない、必ずしも。だけど、やっぱり「素材が良ければ」そんな小細工もいらなくて、ひたすら「音楽のためのヴィジュアル」であれば十分だと…おそらくそういう制作がされているはず。

あと、今回撮影隊がファン1号2号で、実は「美大の映像学科生」という…これは良いご都合主義、私的には好きなご都合主義であって、映像の仕事で食い始めたようなヘンなセミプロより「イイモノが出来るはず」と期待できる展開。鮨の例えでいえば「素材の目利きが素材への愛で」にぎるので、きっと(マンガだから分からないけど)ベストな映像制作になっているだろう。そう思わせてくれる。

いつかアニメ化するときが来たら…とても楽しみ。