「しずねちゃんは今日も眠れない」by 逸見 まんがタイムきららキャラット 2022年6月号p152 芳文社
いまだと絶対「いじめだ!」となって騒ぎになるんでしょうけど、あの当時はやる方もやられる方もそこそこ分別がついていて、いわば「アトラクション」のような感じだった気がします。後輩が集団で先輩を簀巻いたこともあったし。
でも…私が寮にいた遠い昔の時代でも、そういう「そこそこの分別をもってアトラクションとして」行う寮の恒例行事を、頑として受け入れてくれない新入生もいました。私が担当した入寮生の一人もそうでした。
いまさら何を言っても仕方ないのですが、個人的には彼に「そこそこの分別をもってアトラクションとして楽しむメンタリティ」を持たせてあげられた方が、彼の人生にはプラスになったんじゃないのかな…と思ったりします。
でも彼は猛然と牙をむいて、私に「こんなところ出ていく!」とタンカ切って退寮してしまったんですよね。その勢いがスゴかったのでなだめる気にもなれなかった。
彼がその後の人生を順調に送っているなら何も言うことはないのですが、ああいうメンタルで世の中を渡っていくとなかなか大変だなぁと思います。でもね、気付くと彼のような人々で社会が成り立っているような状況になってるようにも感じたり…。
子犬がたくさんの兄弟と一緒に、噛んだり噛まれたりしてじゃれながら「分別」を身につけるように、人間の子どもも「大勢の中で生活することで分別を得る機会」が必要なのかな。年寄りの戯言といわれそうですが、正直そう思うこの頃です。
ともあれ最終回の「しずねちゃん」。いい作品でした。冒頭のいきなり黒魔術で「な…何やらかすの?」と思いましたけど(笑)。
この作品も結局「2乙」というヤツで、3巻の壁を乗り越えられなかったのは残念です。ホント最近のきらら系はキビシイ世界だなぁ…まだ単行本が出てるだけマシなのか。
今回はちょっと(黒魔術のせいで)どよんとしてますが、カラーのふんわり感はすごくスキ。過去にはMAXやミラクでもゲスト掲載があったので、つぎはフォワードあたりでストーリーものを読ませてほしいですね。その際はぜひカラーでお願いします>芳文社さま